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ヘミシンクのCDが突然私のもとへ

ヘミシンクについては何年も前から、ロバート・A・モンロー著の「究極の旅」や、「魂の体外旅行」(いずれも日本教文社)、ブルース・モーエン著「死後探索」、「魂の救出」、「死後探索」(いずれもハート出版)などの訳本に夢中になっていた私なのに、自分で試してみようとはしませんでした。すでに習得した人たちが紹介してくれることがらで満足していたのです。しかし、日本の人が次々にヘミシンク本を書いて体験を発表したり、セミナーを開催したりするようになると、私も試してみたいなという気持ちが生まれました。

自分にとって一番いい方向を示してくれるガイドというか、守護天使のような存在、そういった存在を私は信じています。私たちはこの世でひとりぼっちではなく、いつも「精霊の人」たちと一緒なのだという気がします。ただ私たちは彼らに気づくチャンスを作らず、日常の雑事に追われ、「声」を聞こうとしないだけなのだと思います。
ロンドンのミディアムの老婦人から、「あなたに付いているガイドのひとりに、四角い帽子を被った厳格そうな男性がいる」と言われたことがあるのですが、どうなんでしょう。そんないかめしそうな人じゃなくて、やさしそうな女性のほうがいいんですけど。まあ、それは将来、自分の「心の目」で確かめることにします。

いつか時が来たらやってみよう、と思っていた時、いきなりヘミシンクの一揃いが私のもとに飛んできたので、それには仰天しました。いや、「飛んできた」と言っても超常現象ではないです! 
実は夫が1人で東京の友人を訪ねた際、その奥さんから、「ちほさんに渡して」とおみやげにもらってきたのです。友人の奥さんは私がヘミシンクに興味を持っていることなど知るわけないのに不思議です。これぞ、「始める時が来たよ」という、あちら側からのメッセージなんだ、と勝手に解釈したわけです。

<続く>

1日35分だけ日常を離れる・・・・・・

ヘミシンクというものをご存知ですか? 
ヘッドホンを付け、35分間、ヘミシンクのCDを聞くのが私の新しい日課です。ヘミシンクについては、詳しい方が書かれた書物がたくさん出ていますので、興味があればお読みになってみてください。もちろん、インターネットでも情報を集めることができます。アブナイ宗教とは無縁ですからご安心を!

ヘミシンクを聴く目的は一人一人違います。

私の場合は、天国の両親に会いたい。天国のペットたちに会いたい。どんな家に住んでいるのか知りたい。どんな庭を作ったのか見たい。ミディアム(霊媒)のポールから、「ご両親の家を見たら、あなたはきっと驚く」と言われたのですが、どんなふうに驚くのでしょうか。

1年前、ポールから、「猫もたくさんいる」というメッセージをもらったので、餌を毎日もらいに来ていた野良猫たちが今、天国でどう暮らしているのかも見てみたい。猫のことを言われたのは初めてでした。たくさん、と聞いた時、「野良猫たちも、もうこの世にいないのだな」と思いました。母が亡くなり、家を売った後、人間には全く馴れていなかった野良猫たちの行方がずっと気になっていたのです。
火星を探索している車はCuriosity(好奇心)という名前だけど、私自身もあの世を探索するCuriosityです。
<続く>

助けてください・・・・・・

ミュンヘンに住むミディアム、ポール・ミークからファックスが来ました。「日本から手紙が来た。差出人は日本人の男性らしい。せっぱつまっているようですごく心配だ。あなたも読んでみてくれないか。どういうふうに<助けたら>いいのだろう?」という内容でした。
ファックスの内容からは意味がよくわからなかったのですが、封書に同封された航空便を読んで納得しました。白い便箋の上に英語と日本語で一言だけ書いてありました。

Please help me............助けてください。

文面とその下に広がる白い空間を見ていると、苦しい思いが伝わってくるようで、せつなさにかられました。ポールもきっとそのように感じたのだと思います。

私はポールと相談して、この方には日本のミディアムに会ってみるよう勧めることにしました。ミディアムのポールに相談してみようと思われたくらいですから、天国に行った愛する人とコンタクトを取りたがっていらっしゃると思えたからです。

幸いなことに、今は日本にも訓練を受けたプロのミディアムが増えて来ています。わざわざロンドンまで行って通訳を探す必要もなくなったわけです。日本の文化や伝統や習慣などを考慮した場合、日本人には日本人のミディアムがやっぱりしっくり来るだろうな、というのが私個人の意見です。

たとえば、もし天国の住民が、「お盆にはいつもスイカを食べすぎてお腹こわしてた」「そうめんが好物だった」とミディアムに言ったとします。お盆の環境を知らない外国人のミディアムだったらお盆やそうめんをどう説明したらいいかわからないでしょう。

名前もしかり。ポールは「日本人の名前はメッセージに届いても聞き慣れていないから残念だけど伝えられない」と言います。ジョンとかマイケルというような英語の名前だったらポールはスンナリとメッセージとしてリーディングを受ける人に伝えることができるのですけど。デモンストレーションで「あなたのお母さんはベティという名前ですね」といきなり言われてびっくりする参加者もいます。名前を正確に言えるようになると信頼度はいっぺんに上がりますから、ロンドンでポールのデモンストレーションに参加したときは「すごいな」と思いました。天国の愛犬の名前までポンポン出てきましたから。

最後に……、ポールに手紙を書かれた方が、天国から納得のいくメッセージを受けられて、心の平安を取り戻されたことを祈っています。

魂は死なない・・・をテーマにした映画

アメリカの霊能者が著書に、ある映画のことを「この映画は、死後の世界の表現という点で、事実に近いと思う」と書いていました。

それは、

What Dreams May Come

ロビン・ウィリアムズ主演の映画です。邦題は、

「奇蹟の輝き」といいます。(1998年)

この邦題、ちょっとパッとしないなあ。まあ、死後も生き続ける魂のお話なので、下手な題名をつけたら、おどろおどろしく聞こえてオカルト映画と間違われる恐れあるから、こんな無難な題名になってしまったのだろうなあ、などと思っていますが。

私はこの映画を何度観ても(20回以上、観ました!)、そのたびに感動して泣いてしまいます。内容はご覧になってからのお楽しみ、なので書きませんが、ひとつだけ書かせてください。

過去に飼っていた犬が "SURPRISE!!!" っていう感じで飛びついてくるシーンがありますよ。私も死んだらあんなふうに犬たちと再会するんだろうなあって、嬉しくなります。福岡の親友は、「私の飼っていたのは大型犬ばかりだから、どうしよう? 天国の門付近で押し倒されてしまうよ。」と心配しています。

それではどうぞよいお年を。


小野千穂

偶然の一致って、単に偶然?

      4371円と高見山

 これは12年前の話。帰国していたときのできごとです。

 スーパーマーケットのレジで、私は財布の現金が残り少なかったことに気づきました。その前にちょっと大きな買い物をして、有り金をほぼ使い果たしていたのを忘れていたのです。カゴには魚や野菜が入っていました。しまった、と思っても、もう遅い。
「すみません、お金が足りないと思うので何かを減らしますね」と私はレジ係の女性に言い、打ち出された合計額¥4371を見つめながら、ジャラジャラと財布から有り金をすべて受け皿にぶちまけました。親切なレジ係が嫌な表情ひとつ見せず、お金を数えます。
 もうおわかりでしょう……。
 受け皿にはきっかり4371円あったのです。

 当時、私は愛犬を亡くしたばかりでまだ悲しみから立ち直ることができないでいました。しかし、ロンドンのカレッジ・オブ・サイキック・スタディーズで紹介されたミディアムから、「親しい人や動物を亡くした直後は私たちの<アンテナ>が繊細になっていて、偶然の一致が起きやすい状態なのです。天使が見せてくれるのですよ」と言われていたので、「ああ、そうか、また見せてくれたんだね」と暖かい気持ちになりました。そういうことが立て続けに3つ、4つ起きていたので、そんなに驚かなくなっていたようです。

 その後、私は福岡空港から台北へ。
 福岡空港に到着して建物の中に入ろうとしていたら、タクシーが目の前で停車しました。タクシーから降りてきたのはお相撲さんの高見山とお弟子さんと思われる着物姿の若いお相撲さんたちです。「あれ、また!」と私は嬉しくなりました。
 その3、4日前に高見山の夢を見ていたのです。夢から覚めて、「なぜ高見山なの? お相撲自体に全く興味ないし、ファンでも何でもないのになぜお相撲さんを夢で見たのだろう?」と思いながら、当時つけていた夢日記に書いたのでした。

殺処分のある国から、殺処分のない国に連れてこられる犬猫

    ツーリストが犬猫をドイツに運ぶ

     隣人のテリア・ミックスはスペイン出身

 ドイツには、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの南欧や、ギリシャやトルコから連れて来られた犬猫がたくさんいます。街の猫はほとんどが家の中で飼われているので道で出会うチャンスはありませんが、犬は散歩で新顔に出会うと、「どちらから?」という会話になるので、犬の出身国もすぐわかります。
 ちなみに、隣人の犬はスペインのバレンシアで海に沈められる直前に助けられました。たまたまドイツ人ツーリスト夫婦が目撃。「ちょっとちょっと、あんたら何やってんだあ?」と、その場で犬の親子を引き取ったのだそうです。
 EU内であっても動物の移動には「パスポート」が必要です。犬のパスポートとは、狂犬病の予防接種証明書のこと。母犬と幼犬2頭の予防接種を無事スペインで済ませ、夫婦は再びスペインからドイツの自宅までキャンピングカーを運転して戻りました。3頭の犬を乗っけて。
 隣人の男性はダックスフントを老衰で亡くした直後にその犬のことを聞いて、幼犬のほうを引き取ったのです。顔はヨークシャテリアっぽいですが、足がやけに長く、足の速そうなテリア・ミックスです。

      
      「東欧の犬たちを救おう」運動

 東欧も動物愛護意識からはまだ程遠く、ルーマニアのある市では犬の虐殺が繰り返されています。ドイツの動物保護グループは何度も市長に抗議をしましたが、まだ改善されていません。ストリートドッグの撲殺が日常に行われる町って、想像できますか? 
 犬のしつけ教室と犬のホテルを経営している知人のS氏は、仕事の合間にルーマニアの実情をスライドで人々に見せて、ルーマニアの保護団体のために募金活動をしています。
 もちろんルーマニアにも犬を救う人がいるにはいるのですが、東欧の中でも特に貧しい国ですし、そもそも個人で大規模な救出活動は難しいのです。それでも「見てられないから」と自分の家を犬たちの収容所に開放しているルーマニア人や、ドイツとインターネットで連絡し合って、救助活動をしている人たちがいます。
 ドイツの雑誌やテレビがそういった人たちを紹介して募金集めの手伝いをすることがよくあります。こないだも、テレビで、「ドイツから送ってもらったお金のおかげで、この小屋に屋根をつけることができました。これで雨の日も犬たちが濡れずにすみます。本当に感謝しています」という報告をしていました。

     日本の殺処分の事実を広めよう
   
 日本でも、テレビや雑誌で実情をもっともっと公開すればいいのに、と思います。
 一台4500万円も出して、「殺処分トラック」を走らせている町がある事実や、死に至るまで苦しみ悶える殺処分方法を安楽死と見なす政府の方針や、「犬出し日」があって早朝に回収する町があることなどを報道してほしい、と思うのですが。(その種の報道はスポンサーがいい顔しないと聞いています。)
 テレビや雑誌がスポンサーが恐くて報道しないのであれば、インターネットがありますね!
「私も何かしたい。助けたい。でも何をしていいかわからない」と思っているあなた。殺処分の事実をお友達に知らせてください。話題にしてください。私たちの「救いたい」という願いは、いつか大きなエネルギーとなって、日本から殺処分がなくなる日が来る、と私は信じています。まずは、事実を知る、知らせること、が第一歩です。

天国で両親が建てた家

<続き>

 ポールは、「たくさんの猫」と言いました。実家の庭に住みついていた猫たちのことが頭に浮かびました。日に何度か、サンルームのガラス戸越しに猫たちがズラリと並ぶのです。居間の椅子に座っていた母は、「早く、早くご飯をやらないと。おなかすかせているよ」とヘルパーさんや私をせかしていました。
 猫たちは、毎日エサを与えてくれるヘルパーさんが近寄っただけで「シャーッ」と威嚇するほど人間を信用していませんでした。でもヘルパーさんたちの中には無類の猫好きの人もいて、梅雨の時期など、餌が雨に濡れないように傘や金属の箱で覆って「猫食堂」を作ってくれました。
 その中で一匹だけ、おそらく引越しで置き去りにされた猫でしょうけど、いやに人に馴れた猫がいて、家の中に入ってくるようになったのです。それが後の「パンダ」です。白地に黒のハート模様のその大きなオス猫は、母のひざに座り込んで、甘えるのです。(奇跡のエピソードを残して天国の母を追った天使猫「パンダ」の話は始めのほうにあります。)
 猫たちは罠で1匹ずつ捕まえては避妊去勢を施し、それ以上増えないようにしましたが、中には捕えられたときのショックが大きすぎたのか、動物病院から連れ帰って庭に放したらそのままどこかに消えてしまった猫もいます。どこか知らないところで交通事故に遭った猫もいるかもしれません。野良猫の寿命は3年から5年、と聞いたことがあります。
 したがって、それ以上は猫の数は増えませんでしたが、ガラス越しに並ぶ猫の数が減るごとに、私は「どんな最期を迎えたのだろうか」と気になったものです。
 ポールの目に「見えた」のはその猫たちだったのでしょうか。
 
 ポールはさらに付け加えました。
「ご両親が天国で建てた家を見たら、あなたはきっとすごく驚きますよ」。
 えっ? じゃあ、実家をそっくりそのまま再現した家ではないということ? 新しいもの好きの父だったから、丸い家とか、宇宙船型の家とか? 地上で父が建てた家も考えてみれば変チクリンな和洋折衷の家でした。おまけに庭にはアヒルに亀、鳩、鶏、ヒキガエル……。両親が天国の家でも、これまで飼っていた動物や鳥と一緒だとしたら。うーむ、だったら確かに驚くような家でしょう。

天国で幸せに暮らす人たち、犬たち、猫たち・・・・・・

 先日、ポールのデモンストレーションに行ってきました。
 300席位ある会場はほぼ満員でした。ステージには花とグランドピアノがあります。ポールはデモンストレーションと呼ばれる「公開のコンタクト」を始める前にピアノを数曲弾くのです。もともと音楽家で、ピアノはプロ級。いい音楽は会場の「場のエネルギー」を高めるために効果があるのだそうです。(花も「場のエネルギー」を高めてくれるそうです。)
 そのあとポールは、「今日のコンタクトがうまくいきますように」と祈りの言葉を言い、全員が目を閉じて沈黙すること3分。ざわざわしていた会場が突然、人が消えてしまったかのように静まり返ります。
 次に、ポールがみんなをリラックスさせるためなのでしょうけど、1つか2つ楽しいジョークを披露します。これが結構面白く、後々も思い出し笑いしています。(実は、彼は普段でもユーモアがあって茶目っ気たっぷりな人なんですよ!)

 みんなが一笑いした後、いよいよ天国からのメッセージです。1時間という限られた時間の中で10人ほどにメッセージが伝えられます。これはポールが選ぶのではなく、霊の人たちが選ぶのです。だいたいにおいて、「緊急を要する参加者」が優先的に選ばれるのだそうです。愛する人を亡くして悲しみに打ちひしがれている人とかでしょうね。また、「この機会にコンタクトを取りたい」と強く願っている故人(霊界の人)がポールに合図を送るのです。メッセージを伝えたい人の頭の上に光が見えるそうです。
 
 私は参加者の表情を見たいので、会場全体を見渡せる後方の壁に近いほうに座ります。とは言ってもあまりジロジロ見ると失礼になるので、見ないふりしながら横目でしっかりと観察するわけですけど。
 前回も、すばらしくて忘れられないコンタクトがありました。
 1人は中年の美しい女性です。ベージュのシックな服といい、物腰といい、ご主人共に、いかにも上流階級といった感じで、私はこの夫婦のかもしだす雰囲気に魅了されて、デモンストレーションが始まる前から見とれていたのですけど。
 その女性に、お父さんからメッセージがあったのです。女性はポールの一言一言にうなずき、しまいには流れる涙を拭おうともせず、ほほえんで本当に幸せそうでした。その間、ご主人はずっと奥さんの手をしっかり握り締めていたのが印象に残っています。
 最後に、「あ、コーラスが聞こえます。お父様は歌を歌うのがお好きだったのでしょうね」とポールが言うと、女性は、「父はコーラスのクラブに入っていました」と答えました。

 もうひとつの印象深いメッセージは、私の斜め向こう座っていた20代半ばの男性に送られたものでした。縮れた黒髪で、浅黒い肌をした方で、北アフリカ出身でしょうか。
「お友達の方と思いますよ。メッセージを送ってきた故人の方は若い男性です。タイル床に倒れた状態を見せてくれてます。病院や家で亡くなったのじゃない、みたいですね。もしかして、ドラッグとかそういうのに関係していたのかも」。ポールはちょっと言いにくそうでした。
 会場の若い男性は驚いたように身を乗り出しました。まさか自分にメッセージが来るとは思わなかった、という反応で、「ち、ち、ちょっと待って!」のような慌てようでしたが、ポールが天国の青年の具体的な特徴を言い始めると(イレズミやピアスのこととか、風貌について)、会場の若い男性は肩を大きく震わせながら、泣き始めたのです。オートバイ仲間の友達だったようです。私も思わずもらい泣き。それに気づいた横のドイツ人は私を見て微笑み、周りの人たちもティッシュを取り出していました。ポールは最後に、「彼は天国でとても幸せなので、安心して」と男性に伝えました。

 誰かの犬も数回、現れていました。ポールは、「ぼくは霊界の動物があまり得意じゃない」と言いますが、どうしてどうして。ロンドンでのデモンストレーションのときはペットの名前まで言い当てていました。

 ところで、実はデモンストレーションが始まる前、ステージの下にポールの姿が見えたので挨拶に行ったのですが、たくさんの人に囲まれていたので、私は彼に目で挨拶をしただけでした。
 翌日、彼からファックスが来ました。
「あなたが私のところに近寄ってきたとき、年配の小柄な女性が、あなたの髪をやさしく撫でているのが見えましたよ。それを伝えたくて、デモンストレーション終了後あなたを探したのだけど見つかりませんでした。あなたのお母さんですね! にこにこしてすごく幸せそうでしたよ。あなたの真っ白な犬と―――、それに猫がいっぱい!」

(続く)

夏の夜に現れた不思議な蛍

5年ほど前のできごとです。
夕食がすんで、私たちはいつもの散歩道を歩いていました。ここドイツの7月の日没は午後9時を過ぎたころで、夜の10時になってやっと夜らしくなります。

さくらんぼうや、りんごの大木が残る古い果樹園を過ぎ、両側をブラックベリーがおおう土手に差し掛かったとき、私は夫に言いました。足もとの草むらを指差しながら。
「去年、ここで蛍を見たのよ」と。

ドイツで蛍を見たのはそれが初めてだったので、見た場所は、はっきりと覚えていました。ドイツにも蛍がいるのを知ったのはそのときだったのです。薄暗い草むらで白い光を放つ蛍を見つけたとき、驚くと同時に、蛍を見るのを楽しみにしていた父のことが思い出されました。

1年前に蛍を見た、その忘れられない箇所を見下ろしたときです。

まさしく同じところに、蛍がいたのです。
草にとまって白い光を放つ蛍が、1匹だけ。

実験に使われたビーグル犬に暖かいファミリーを!

実験に使われたビーグル犬にも幸せになるチャンスがあります。


ドイツの製薬会社は、実験に使った犬が必要でなくなったら、犬を解放します。
ドイツでは普通、ビーグル犬が使われ、彼らは「ラボ(実験)・ビーグル」と呼ばれています。

そのようなビーグル犬たちはコンクリートの世界しか知りません。この世に空があることも、クンクンいい匂いのする野原があることも知らないし、土の上を歩いたこともないし、他の犬たちと遊んだこともありません。もちろん名前もありません。

ドイツにはこの「実験ビーグル犬」を製薬会社から引き取って、新しいファミリーを探す人たちが何人もいます。

解放されたばかりのビーグル犬は、びくびくおどおどしていて、公園の芝生に降ろされてもどうしたらいいかわからず、座り込んでしまいます。第一、車を見るのだって、乗るのだって生まれて初めてなのです。
でも心配はいりません。これからは新しいファミリーが暖かく見守ってくれるのですから。

「実験ビーグル犬」はすぐに他の犬と遊ぶようになります。早い子だと実験室から出て数時間で芝生の上を他の犬たちとかけっこすることができるようになるのです。名前をもらい、新しい家族から頬ずりされ、寝心地のいいソファで大好きな人の横で寝そべることができるのはもう時間の問題です。

日本の実験に使った犬たちも(もちろん他の動物たちも)「こうなったらいいなあ、こうなりますように」と私は祈っています。