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仔犬を売りに来る東欧のヤミ繁殖屋

新聞紙上でよく見かけるニュースのひとつに、東欧からトラックやヴァンで運ばれてくる仔犬たちのことがあります。

国境でたまたま検査官に止められたトラックに百頭以上の人気小型犬の、生まれて間もない仔犬たちが見つかることがあります。仔犬たちはすぐに没収されてティアハイムに送られ、手厚く保護されるのですが・・・。

その多くは数日で死んでしまいます。一頭でもパルボウィルスを持っている仔犬がいると、ほぼ全滅ですし、日本では聞かなくなったジステンパーもまだ存在しているのです。

仔犬が多数、どこそこのティアハイムで保護された、とわかると、ドイツ人たちは先を争って電話をかけて譲り受けの申し出をするのですが、悲しいことに助かる犬はごくわずかです。

東欧のヤミ繁殖屋は、狭いオリに流行犬種を閉じ込めて、仔犬を産ませ、なるべく早い時期に西欧諸国で売ろうと考えています。

解決法は?
買わないこと。買う人がいなければ、繁殖する意味もなくなるからです。

「繁殖された犬を買わないで。犬を飼うならティアハイムで見つけよう。」

これが犬を本当に愛する人の合言葉です。

ドイツでは将来、危険種犬の飼育は免許制になるかも?

週末にベルリンの駅付近でロットワイラーが4人の人を次々に襲う事件がありました。飼い主は若い夫婦で、犬をリードなしで歩いていたのです。
ドイツでは犬を森や野原ではリードなしで自由に走らせます。もっとも、犬が飼い主のコマンドをしっかり聴いて、来い、と言われたらすぐに戻ってくるという条件付きですが。

特に大型犬の場合は訓練が必須です。ベルリンの噛みつき事件はロットワイラーという危険種でした。危険種の犬を飼うには、犬が攻撃的でないことを証明する自治体の行うテストにパスしないとなりません。訓練士が犬を驚かせても攻撃的にならないか、飼い主の命令に従うかどうかチェックします。

しかし、それにパスしたからといって闘犬種や危険種が安全だとは限りません。危険な要素を見せる犬は外出時にクツワをはめるよう指示されることもあります。

人はなぜそれまでして危険種や闘犬種を選ぶのでしょうか? 

獰猛な犬を連れていると人間まで強そうに見える? 攻撃性を楽しむ?
(通行人は誰も近寄らない。怖がる。それが痛快だ、という気持ち)。

免許制度にしたらどうだろうという意見が出ては消え、消えては出ているのですが、実行は難しそうです。必ず、それは犬を種類で差別するのであり、不公平だ、というのです。確かに、ドイツの最も多い噛みつき事件はジャーマン・シェパード系です。それはドイツでポピュラーな犬がジャーマン・シェパードか、そのミックス、ということが原因していると思われます。

大型犬、闘犬種はしつけに時間とお金が相当かかります。ドイツでは時間もお金もなくて、このような犬種を選ぶ人が減りません。

スペインから犬をドイツへ運ぶボランティア

外国から飛行機で保護犬をドイツに運ぶボランティアというのがあります。この場合の外国とは、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、トルコなどで、ドイツの航空会社が協力してくれます。

私たちも滞在先の島からドイツのフランクフルト空港まで犬を運びたかったのですが、残念ながら、乗り換えることになっている島からはその制度がないとのことでした。

途中、乗り換える時に、ボランティアの人たちと連絡を取り合い、空港で待ち合わせをして、搭乗者本人がチェックインしなければなりません。別の機会に、それが可能な島からドイツへ飛ぶときはきっと実行したいです。

ドイツの空港で預かった犬をチェックアウトして、出迎えのボランティアに手渡すまでが私たちの任務となります。

東欧からは車で連れて来られるケースが多いようです。近所に住むドイツ人の親子はルーマニアまで飛行機で飛んで、2頭、連れて来ました。

写真でお見合いして、受け取るという方法もあります。

どの場合も、予防注射料と去勢避妊の費用の足しとなる程度のお金、5万円前後がかかります。どうせ殺処分の運命だったんだから、犬をただで引き取って当たり前、などという考えはありません。保護施設から犬を引き取るには、「私は犬を家族として生涯愛します、だいじにします。どうぞお譲りください」と拝まないとなりません(笑)。

スペインの離島で闘犬種

(続き)
この小さな島で時々見かけた犬はアメリカンスタフォードシャーテリアという闘犬種でした。スペインのマッチョ男性の中には闘犬種を飼っている人が少なくないそうです。

アメリカンスタフォードシャーテリアが悪いというのではありません。飼い方ひとつで、愛嬌たっぷりで優しい性格にもなるし、オリで閉じ込めて飼えば人間や動物を襲う恐い猛獣にもなるのです。

ドイツでは最近2度、闘犬種による事件がありました。親子を噛み殺したスタフォードシャーテリアの雑種と自宅の赤ちゃんを噛み殺したピットブルです。スペインのカナリー諸島のそういった事件の統計はないのですが、事件は決してゼロではないと思います。

オリの中から通りがかりの人にも牙をむき、大声で吠え続けるスタフォードシャーテリアを見ると、もしオリの金網が壊れてこの犬が抜け出したら、と思ってゾッとしました。狭いオリの中だけで一日中過ごし、飼い主とのコンタクトもほぼなし、散歩にも連れて行ってもらえない、となればノイローゼ状態でしょう。

一見平和そのものの離島で、リラックスのために行ったのですが、動物愛護の目で見ると悲しさがつのります。ドイツ人で島の捨てられた犬たちを保護しているカリンさんは、「それでも初めて島に来た30年前と比べたらよくなった」と言います。犬の飼い方にも少し変化が現れているそうです。

スペインの離島で子供達に犬のすばらしさを教える女性

エル・イエロ島って聞いたことありますか。西アフリカ沖のカナリー諸島のひとつ、ツーリストもあまり行かない小さな島です。私たち夫婦はそこで2週間過ごしました。

静まり返った村、大西洋を見下ろす丘に借りたコテージがあります。コテージと言っても家の中身はキャンプに毛が生えた程度で、2センチぐらいのムカデが何百と這い回っているし、家電は壊れているのが多くて、台所用具も使いものにならないような代物ばかり。ただし、海からの空気と静けさはどこにも負けないくらいです。

30年以上も島で暮らして、動物保護施設を経営しているカリンさんを訪ねました。
「ここに来た当時はひどい状態だったわ。犬は短い鎖でつないで飼って散歩には行かない。犬を散歩に連れ出してくださいと頼んでも、そんなこと男のすることじゃない、と主張するの」

しかし、今は散歩させる人もいるそうです。私は滞在中、村で2度だけ犬を散歩させている若い男性を見ました。でもやっぱり犬は相変わらず繋がれているか、裏庭の小さなオリに閉じ込められているかのどちらかが大多数のようです。休暇で行っても、そういう事実を見たり聞いたりすると休暇を楽しめなくなる自分がいます。

「貴女がこの島に住んだらここの人間が大嫌いになるだろうなあ」と、貸自転車店を営業しているドイツ人から言われました。

耳を澄ますと、どこからか、ワンワンキャンキャンと犬の鳴き声がしてくるのです。明らかに繋がれているか檻で飼われているかのどちらかです。そして、鶏を飼うように狭い檻一杯に猟犬を十何頭も飼っている人もいます。それでもカリンさんは諦めません。小学校に行って犬のすばらしさを子供達に知らせる活動をしています。(続く)

ザギトア選手と秋田犬

ロシアのザギトア選手に秋田犬が贈呈されることになっています。

秋田犬がどんな犬種か彼女は本当に理解しているでしょうか。彼女はまだ15歳。両親や家族が秋田犬の飼い方をしっかり勉強して、そのうえで飼うことを決心したのならいいのですが。

ドイツでは秋田犬も危険犬種の中に入っています。飼い方を間違えると危険な犬になるかもしれない、ということです。

私が憂えるのは、ザギトア選手が秋田犬を飼うことに感化されて、「私も秋田犬ほしい!」と安易に仔犬を買い求める人が出てくるかもしれない、ということ。半年後、殺処分センターの施設が秋田犬だらけになるかもしれない、ということ。昔、ハスキーやゴールデンレトリバーがたどった運命と同じく。

飼い主とその母親を襲ったチコ

3週間前の、ドイツでのできごとです。
チコという名前のアメリカン・スタフォードシャーテリアが飼い主の20代の男性とその母親を噛み殺すという事件が発生しました。

アメリカン・スタフォードシャーテリアは昔、闘犬用に繁殖された犬種です。ドイツでは闘犬はもちろん法律違反ですが、この犬種は一部の人に人気があって今でも繁殖されています。私が住む地区でも4、5頭はいます。

この犬種はすばらしいファミリードッグにもなるようで、人間にも犬にもほかの動物にも愛嬌をふるまういい子もいますが、問題は間違った飼い方をする人のもとで育てられた犬がいることです。

チコは部屋の檻に入れられていたようで、ベランダは糞が散乱していたといいます。散歩は夜だけ。集団住宅で、近所からは「犬を虐待しているようだ」、「よく吠える」などと動物愛護団体に苦情が持ち込まれていました。愛護団体はチコを2度見に来たそうですが、(夜間のみとはいえ)散歩には連れ出しているし、犬を取り上げるまでには至らなかったそうです。ドイツでは犬を虐待する人間から犬を救助します。

先週の月曜日にチコは注射で安楽死させられました。
チコの救命に30万人の人が抗議し、闘犬種専門のドッグトレーナーが「獰猛さを矯正するので引き取りたい」と申し出ました。

安楽死させられたことがわかると「チコこそ犠牲者だ」とデモがありました。興味深いのは、飼い主を憐れむ声がどこにも見られなかったことです。

そして数日後、またもや同じ犬種が飼い主の赤ん坊を噛み殺す事件が起きました。

闘犬種は20年ほど前に、トルコ人の飼っていたピットブルが公園にいた少年を噛み殺してから、闘犬種を減らす目的として犬税が10倍ぐらいになったことがあります。確かに一時期、ピットブルやスタフォードシャーテリア系はあまり見かけなくなりました。しかし、その後、犬種によって差別するのはナンセンスという人たちの言い分が通り、闘犬種は再び増えて来ています。

闘犬種であっても大多数は普通のおとなしい犬たちですが、飼い方を間違えると、野生の猛獣と同じになり得るのです。

東欧から連れて来られる犬たち

これで何回目でしょうか。先週もルーマニアナンバーの赤い大型ヴァンが近所の道路脇に停まっていました。と同時に、人々がぞくぞくと集まって来ます。さあ、犬の配達の時間です!!
 

その光景を初めて見たときはてっきり違法の車が犬を売りに来た、と早合点して、私は犬を受け取った人に、「何なんですか、これは!」とムキになって問い詰めた私でした。

ヴァンはルーマニアの獣医師二人が運転しています。定期的にドイツ各地を巡り、あらかじめ写真で「お見合い」していた未来の飼い主たちに犬を届けているのです。だからでしょうか。最近は近所にルーマニア出身の犬が多くなりました。

近所のHさんは昔、ミュンスターランダーというドイツの猟犬を飼っていました。その犬が亡くなった後、ルーマニアの保護施設のことを知り、施設の修理や、犬の世話のボランティアで時々ルーマニアに行っているそうです。彼女は自分に1頭、両親に1頭、ルーマニアから連れて帰りました。どちらも推定12歳の中型の老犬です。

彼女の話では、ルーマニアの保護施設といっても、名ばかりのところもあり、EUから支給された補助金を着服、犬は保護していると見せかけて撲殺するニセの「施設」も少なくないそうです。なかなか表沙汰にはならず、多くの犬たちが相変わらず残酷に扱われ、殺されている、というのが現状だと彼女は言っています。ドイツに連れて来られる犬は本当に超ラッキーなのだそうです。

道でいつも出会うおばあさんが飼い始めた犬はコーギーをそのまま大きくしたような薄茶の犬で、おとなしくて、おばあさんと一緒にいつも静かに歩いています。この、やさしい犬も、ルーマニアからドイツに連れて来られなかったら撲殺されていたかもしれない、などと想像するだけで恐ろしくなります。

移動式養鶏というグッドアイデアで鶏も喜ぶ

このところドイツでは養豚や養鶏のありかたの話題が多いです。動物性の食物は一切食べないヴィーガンの人たちが増えたせいかな?


ドイツの移動式養鶏はいいアイデアだなあと感心しています。毎日、車のついた鶏小屋自体を野原に引いてきて(野原の周囲はネットで囲ってある)、そこに鶏を放すのです。鶏たちは自由に歩き回り、土をほじり、砂浴びをし、そして薄暗くなるころには小屋に戻ってきます。車付きの小屋はいわゆる「寝室専用」といったところでしょうか。

この方式だと、鶏は農場や養鶏場の限られた空間に閉じ込められることがありません。何段も重なったオリに閉じ込める養鶏は、数年前、禁止になりました。平飼いが常識となったのですが、実際は同じ平飼いといっても、ピンからキリまであるようです。一般に、有機の、値段が高いタマゴや鶏肉は、広々とした畑や野原での放し飼い。つまり本当の地鶏のもの。出処がはっきりしているので、インターネットで、どのような飼い方をしているか消費者は確認することができます。

半年前、特別のエサを与えて、産ませた「健康的で美味しいタマゴ」をNHKで紹介していました。しかし、その養鶏場は従来の段々式になった狭いオリでした。

保護施設から犬を引き取る時にするべきこと

今日の新聞に、保護施設から犬を引き取る場合の注意事項が紹介されていました。
ドイツの動物保護施設で犬を引き取るのは、実はそう簡単ではないのです。本当にその犬と相性が合うのか、施設側も希望者も見極める必要があります。
この犬を引き取りたい、と思ったら、まず散歩に連れ出します。そして、数回通って、犬と仲良しになる。散歩に行く。家に連れて行って犬の反応を見る。

そこまでしないと、犬が新しい飼い主と相性がいいのかどうかわかりません。
晴れてお目当ての犬を譲り受けることが決まったら、200~400ユーロ支払います。施設によって金額は異なります。これには予防注射代や、オス犬の去勢代金も含まれていることがあります。そして、施設で食べていたエサを分けてもらい、徐々に家で与えるエサに慣れさせます。

ドイツの考え方を見ていると、「人間は犬の立場になって考えている」という気がします。犬の幸せは(そして、すべての家畜動物の幸せも)人間がどう振る舞うか、によって決まるのです。

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