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ドイツには野良犬はいないが野良猫はいます

ドイツには野良犬というのは存在しません。捨て犬というのは存在しますが。高速道路のサービスエリアに犬が繋がれて、数時間たっても誰も来ないので捨て犬とみなされて保護される話をたまに聞きます。
首輪のない犬が放浪していた、というケースもあります。ただし、捨て犬がドイツを放浪できるのは最長2日ではないでしょうか。誰かが必ず保護するからです。駅の一角につないでちょっと用足しに行って戻ってみると、自分の犬のまわりに人だかりがしていて、「捨てられたのだろう、保護しよう」と人々が相談していたそうです。

警察や民間人が保護して、動物保護ホームに連れて行き、飼い主を探しますが、飼い主不明であるとわかった段階で「ファミリー求む」の候補犬になります。
捨てられていた犬が子犬、というケースはめったにありません。子犬を保護した、などという情報があれば人がホームに押し寄せるでしょう。ときどき、東欧との国境付近で、ヤミ商売人が小型犬の子犬を大量にドイツへ密輸する事件が発覚しますが、最寄りのホームはたちまち長蛇の列となります。もちろん毛布やタオルやフードやお金の寄付はどっと集まります。

猫は野良がいます。野良とは言っても餌はもらえるし、栄養がいいせいか毛並みはつやつやで、一見野良公には見えないのですが、人に馴れていないという点で違います。人に馴れた猫はもう野良公として留まることはなく、大体において誰かが飼うことになってしまうからでしょう。つまり、猫が人よりも自由を愛するタイプであればそのままにしておこう、という考え方なのだと思いますが、老いた野良猫、病気の野良猫は放っておくわけにもいかないので、人に馴れていない猫専用の猫の家とかも存在します。自由に外と中を行き来できるようになっていたり、広々とした屋内は運動不足にならないよう、遊園地ふうにいろんな工夫がしてあって、ドイツの野良猫は幸せ者だなあと思います。

もちろん避妊去勢は常識です。犬も猫も引き取り手を探すときは一般に避妊去勢をしてから、が基本です。友人が一年前に引き取った小型犬ミックスは5年もヤミ繁殖で使われた犬でしたが、ホームにいた2週間の間に避妊手術を済ませてありました。(長い長い契約書の中には、もし引き取った後に犬が妊娠していて、仔を産むようなことがあれば、仔犬はすべてホームに属する、という項がありました)。純血種であるかどうかに関係なくドイツではペットの避妊去勢手術は当たり前のことです。

日本の市町村経営の愛護センターや保護センターが、ガスで犬猫を窒息死させるところではなければどんなにいいことか。避妊去勢手術を犬猫に施し、不運な犬猫が増えることにないようにする場所、新しいファミリーを探す場所になってくれたらすばらしいのに、と思います。

ガス室を設置しているかぎり、愛護センターとか保護センターというような名称は不適当です。ガス室で殺処分するのは、愛護でも保護でもないからです。殺処分センターとはっきり呼ぶべきです。