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獲っては捨て、獲っては捨て

新聞に掲載された、人間の大人ほどもある巨大な魚の写真。それはライン河で20代の釣り人が釣ったナマズでした。釣り上げられたナマズの横で得意顔の青年が寝そべっています。ナマズの年齢は55歳。記念撮影の後は捨てるしかない、ライン河のナマズ。

その写真を見て不愉快になったのは私だけではなかったようです。翌日の読者投稿欄には何人もの人が、「食べるわけでもないのに、55年も生きてきたナマズを個人の楽しみのために殺してどうしようというのだ? なぜ放してやらなかった?」、「捨てるナマズを死なせる必要などなかったのに!」と意見していました。

私自身も九州の天草(有明海)で釣り人らが堤防に置き去りにしていったたくさんの小さなフグを見て悲しい思いをしました。食べられないので捨てる。生命を奪い、そして捨てる。

また、ドイツは昔、タラ漁がさかんでした。今ではタラの数が減り、もう大衆魚ではなくなりつつあります。売り物になる魚以外は海に捨てていたのです。死んだ小さめのタラや売り物にならない雑魚を何トンも何トンも漁船から捨てる。

「漁獲量が減った云々」を聞くたびに、つまるところ人間は「ツケを払っているのだ」という気がしてなりません。